千年の都として栄えた京都は、日本の歴史と文化が今も色濃く残る古都です。四季折々の美しい風景、風情ある街並みや歴史的建造物の数々など、魅力あふれる観光スポットが沢山あり、国内外から多くの観光客が訪れます。
なかでも、“京都三大祭り”と称される「葵祭」「祇園祭」「時代祭」は、古くから受け継がれてきた伝統行事で、それぞれ異なる歴史的背景と見どころがあり、京都の風情をより深く感じられます。
今回は、この由緒ある京都三大祭りの魅力や見どころをたっぷりとご紹介。祭りの日程や観覧のベストスポットなど、旅の計画に役立つ情報も満載です!悠久の歴史を感じる京都の季節の風物詩を体感してみませんか?
目次
■ 京都三大祭りとは?【葵祭・祇園祭・時代祭】
■ 葵祭【5月15日開催 / 上賀茂神社・下鴨神社】
└ 葵祭の歴史
└ 葵祭の見どころ
└ 葵祭の開催場所・観覧方法
■ 祇園祭【7月1日~31日開催 / 八坂神社】
└ 祇園祭の歴史
└ 祇園祭の見どころ
└ 祇園祭の開催場所・観覧方法
■ 時代祭【10月22日開催 / 平安神宮】
└ 時代祭の歴史
└ 時代祭の見どころ
└ 時代祭の開催場所・観覧方法
■ まとめ
└ 京都三大祭りを楽しむなら、旅行会社のツアーがおすすめ!
京都三大祭りとは、春の「葵祭」、夏の「祇園祭」、秋の「時代祭」を指し、いずれも歴史が深く、格式と華やかさを兼ね備えたお祭りです。古くは平安時代から続く伝統行事で、春から秋にかけての京都の風物詩として毎年多くの人が足を運び、京都の街並みを鮮やかに彩ります。
葵祭は日本最古の祭りの一つで、上賀茂神社(かみがも)と下鴨神社(しもがも)の例祭にあたります。元々は五穀豊穣を祈願する神事として始まり、平安時代には最も重要な祭りとして認識されるように。単に「祭り」と言えば、葵祭のことを指すほど有名な催しとなりました。
幾度となく衰退や中止を経験しながらも、当時の歴史や文化を現代に伝える貴重な祭りとして、現在も多くの人々に親しまれています。
5月初旬から「前儀」と呼ばれる様々な行事が行われますが、その代表的な行事が「流鏑馬神事」。馬に乗って颯爽と駆け抜けながら的確に的を射抜く姿は迫力満点!そのほか、斎王代が身を清める「斎王代御禊の儀」や、沿道を弓矢を使って清める魔除けの神事「歩射神事」などが有名です。
祭の最大のハイライトは、毎年5月15日に行われる「路頭の儀」。平安装束に身を包んだ総勢500名もの人々が、馬や牛、牛車などとともにゆっくりと京の町を練り歩く光景は、まさに平安絵巻のよう!葵の葉を飾った優美な衣装や雅楽の音色が、訪れる見物客を平安時代へといざないます。華やかさの中にも厳かな雰囲気が漂い、京都ならではの風格が感じられる特別な一日です。
葵祭の行列は、京都御所を出発した後、下鴨神社、上賀茂神社へと続きます。最もおすすめの観覧スポットは、行列の出発地点である京都御所。京都御所の建物や東山連峰を背に進む行列は必見です。そのほか、一般には公開されていませんが、下鴨神社と上賀茂神社に到着した際に行われる国家の繁栄や安泰を祈る大切な儀式「社頭の儀」などもあります。
沿道からも無料で観覧できますが、毎年多くの人で賑わうため、混雑は必至です。人混みをなるべく避け、ゆっくりと落ち着いて観覧したい方には、京都御苑や下鴨神社に設置される有料観覧席がおすすめです。
“コンチキチン”の祇園囃子の音色とともに、夏の京都を華やかに彩る祇園祭は、八坂神社の祭礼として知られる歴史あるお祭りです。平安時代初期、当時流行していた疫病を鎮めるために始まったお祭りで、千年以上の歴史を誇ります。応仁の乱で一度中断しましたが、町衆の手によって再興され、今では京都の夏の風物詩として全国的にも広く知られる一大イベントとなっています。
7月1日の「吉符入」に始まり、31日の「疫神社夏越祭」まで、1か月にわたって多彩な祭事が行われます。なかでも、17日と24日に行われる八坂神社の「神輿渡御」と、前祭と後祭合わせて34基にもなる「山鉾巡行」は祭の最大のハイライト!
山や鉾の美しい装飾品も見事で、巡行順を確認する「くじ改め」や豪快な「辻廻し」など、見どころも満載。“動く美術館”とも称される巡行は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。また、日が暮れて提灯の灯りに照らされた山鉾が立ち並び、幻想的な空間を演出してくれる「宵山」もおすすめ。夜の風情をたっぷりと楽しむことができます。
祇園祭は京都市中心部一帯で開催されます。豪華絢爛な「山鉾巡行」は四条通・烏丸通周辺を中心に行われ、沿道からは無料で観覧できます。人気のエリアは大変混雑するので、快適に観覧したい方は、前祭(御池通の河原町通から新町通の間)、後祭(御池通の烏丸通から高倉通の間及び、寺町通~河原町通の間)ともに、有料観覧席を利用するのが良いでしょう。
また、巡行当日の夕方に行われる「神輿渡御」もオススメ!豪華で優美な巡行からガラッとかわり、神輿を揺さぶりながら町を巡る大胆かつダイナミックな祭の一面も、ぜひ合わせて楽しんでみてくださいね。
時代祭は京都三大祭りの中で最も新しく、明治28年(1895年)に平安神宮の創建と平安遷都1100年を記念して始まりました。当初は6列500名余りという規模でしたが、今では約2,000名が約2kmにわたって行脚する、圧倒的なスケールで繰り広げられる秋の風物詩となりました。
比較的新しい祭りながらも、明治維新によって著しく衰退した京都を再び盛り上げるため、市民の熱意と誇りが結集し、一大イベントへと成長しました。約1000年ものあいだ、都として培ってきた日本の伝統工芸技術や、日本文化の移り変わりなどを一望できる壮観なお祭りです。
祭りの最大の見どころは、明治維新に始まり、江戸、安土桃山、室町、吉野、鎌倉、藤原、延暦と、8つの時代を象徴する大行列。
各時代の衣装や調度品、その時代を彩った人物や職業に至るまでが忠実に再現されていて、まさに動く絵巻物そのもの!京都の長い歴史を1日で体験できる、壮大なスケールで繰り広げられる祭りは圧巻です。
時代祭の行列は、京都御所を出発し、烏丸御池や河原町三条を経て、平安神宮へと進むルートで行われます。行列の順序は、新しい時代の明治維新から始まり、延暦時代まで時を遡って執り行われます。
特に、行列のパフォーマンスを楽しめる御池通沿いや、大鳥居とのコントラストが美しい平安神宮前は人気スポット!沿道からの観覧は無料ですが、京都御苑、御池通、平安神宮道に有料観覧席が設けられるので、ゆったりと祭りを楽しみたい方はそちらもオススメです。
京都三大祭りは、それぞれが異なる時代背景と独自の魅力を持つ日本を代表する伝統行事です。春の葵祭は平安貴族の優雅さを、夏の祇園祭は京の都の移り変わりと町衆の熱気を、秋の時代祭は日本の歩んできた歴史の壮大さを表現しています。長い歴史の中で、現在に至るまで大切に受け継がれてきた“生きた文化遺産”であり、日本人のアイデンティティの源でもあります。
四季折々の京の景色と三大祭りを一緒に体験することは、日本の伝統文化の奥深さを肌で感じることができるとても貴重な機会。何度訪れても新たな発見や感動があるのも魅力の一つです。時代を超えて継承される京都三大祭りの魅力に、ぜひ一度触れてみてください。
お祭り会場への交通は混雑必至!現地まで安心のアクセスがあるバスツアーや、人気の祭りでは確保が難しい特別観覧席付きツアー、祭りのあともゆったりと散策したりリラックスできる宿泊付きツアーなど、快適な旅のお手伝いをさせていただきます。
旅っくすでは今回紹介した京都三大祭りの他にも、全国で開催されるお祭りを楽しめるツアーをたくさん取り扱っています。下記特集ページも是非チェックしてみてください。
※2025年4月時点の情報です。お出かけの際には最新の情報をご確認ください。
タビックスナビ編集部