名古屋および近郊で広く受け入れられ、愛されてきた「なごやめし」。ラーメン・うどん・スパゲッティなどの麺類に加え、主食となるご飯やそのお供、お菓子やモーニングなどの喫茶メニューに至るまで、そのバリエーションは多岐にわたります。今回はそんななごやめしの中から、地域の人に長く親しまれているオススメの名物グルメ20選をお届け!
豆味噌をベースにした和・洋・中それぞれの伝統的な料理から、創作料理として広く普及したものまで、名古屋の食の魅力を余すことなく堪能できます。これほど沢山の地域特有の料理が存在しているのも、なごやめしの魅力です。名古屋を訪れる際はぜひ、様々な食文化を楽しんでみてくださいね。
目次
■ おすすめのなごやめし20選
└1. ひつまぶし
└2. 味噌カツ
└3. きしめん
└4. 味噌煮込みうどん
└5. カレーうどん
└6. あんかけスパ
└7. 鉄板スパ
└8. 台湾ラーメン
└9. 手羽先
└10. 名古屋コーチン
└11. 天むす
└12. どて煮
└13. 味噌おでん
└14. 小倉トースト
└15. モーニング
└16. 鬼まんじゅう
└17. えびせんべい
└18. ういろう
└19. ぴよりん
└20. スガキヤラーメン
■ まとめ
名古屋といえば、まず思い浮かぶ「ひつまぶし」。贅沢ななごやめしの王道で、うなぎのかば焼きを短冊状に刻み、熱々のご飯と一緒におひつに盛って提供される名物グルメです。その語源は、お“ひつ”の中のご飯に、かば焼きを“まぶし”て届けていたことからきているそう。
お茶碗に自分でよそい、最初の一杯はそのまま、二杯目は薬味を添えて、三杯目は出汁をかけてさらさらっと頂く、一品で三度おいしいのがひつまぶしの特徴。愛知ではたまりベースのこってりしたタレを使っているため、出汁のかわりにお茶を注いでお茶漬けとして食べても絶品です!
古くから続く伝統の豆味噌を使ったタレをトンカツにかけた、名古屋グルメの王道「味噌カツ」。串カツもこれに含まれています。
戦後の屋台で、どて煮の鍋に串カツをつけて食べたのが始まりと言われています。ほどなくしてトンカツをメインに扱っていた食堂がその発想を取り入れ、今では愛知県内にあるトンカツ屋で味噌カツを提供していないお店はない!と言われるほど、一般的な県民食として幅広く親しまれています。そのお味は、一口食べると赤味噌の香りが口いっぱいに広がり、甘辛く濃厚なタレでご飯が進む一品です!
古くは江戸時代から食されていたとされる、愛知の人たちにとってはお馴染みの「きしめん」。うどんよりも薄く平たく延ばされた麺が特徴で、たまり醤油をベースにカツオやアジなどで出汁を取るのが一般的。
薄く平べったい麺にはつゆがしみこみやすく、味付けはシンプルながらもしっかりとした旨味のある味わいです。食感はツルツルとしていて、コシが弱いため食べやすく、小さい子どもから大人まで老若男女問わず広く親しまれています。
きしめんと並んで人気のある「味噌煮込みうどん」は、名古屋を代表する麺料理の一つです。元々は一般家庭で食べられていた郷土料理で、明治時代から飲食店でも提供され、名古屋市を中心とした地域で食べられるようになったそう。豆味噌ベースのつゆで、生麺と一緒に鶏肉や油揚げ、野菜など沢山の具材と一緒にぐつぐつと煮込んで土鍋で提供されます。
塩水を使わず真水で打った煮込み専用の麺を使っているため、一般的なうどんの食感とは違い独特の噛み応えがあるのが特徴。煮込んでも風味が損なわれません。その濃厚なつゆはご飯との相性もピッタリ!味噌煮込みうどんをおかずにご飯を食べるのもオススメです。
スパイスの効いたこってりクリーミーなとろみのある本格カレールーに、極太な麺と豚肉、油揚げやネギなどをトッピングして食べるボリューム満点の「カレーうどん」。元々は東京で生まれ全国に広まりましたが、鶏ガラスープを基本ベースに魚介類系の出汁を加えて作るなど、名古屋独自の進化をとげています。
なごやめしとしての県民認知度が低かったカレーうどんですが、他では味わえない唯一無二の『名古屋流』が徐々に浸透していき、〆の一杯として人気を確立。今ではきしめんや味噌煮込みうどんに肩を並べる勢いのある麺料理の一つです。
「あんかけスパ」は、その名のとおり、中華や和食によくある“あん”のようなとろみのあるソースをかけたスパゲッティ。コショウがピリッと効いたスパイシーな味付けが特徴で、トッピングの具材は赤ソーセージやウインナーなどハム主体の“ミラ”ネーゼと玉ねぎ、ピーマンなどの野菜中心の“カン”トリーをかけ合わせた『ミラカン』があんかけスパの定番。
なごやめし特有の濃いしっかりとした味付けで、一度食べるとハマってしまう味わいで県民の心を掴んで離しません。愛知県内には専門店が多数あり、観光客からも人気のご当地グルメです。
昭和の喫茶店で生まれた「鉄板スパ」。熱々の鉄板にケチャップベースのスパゲッティを盛りつけ、周りに溶き卵を流し入れて食べる定番のなごやめしです。鉄板に流し込まれる溶き卵は、味をまろやかにするだけでなく保温する役割もあり、より長く温かい状態で楽しめます。
具材は赤ウインナーに玉ねぎ、ピーマン、マッシュルームなどを入れて、濃い目の味付けが定番。食べ始めは半熟卵を麺にからめてよりまろやかに、徐々に火が通って薄焼きになった卵を巻いて香ばしい風味で食べたりと、食べ進めながら段階的に味が変わるのも鉄板スパの特徴です。
うどん、スパゲッティときたら、外せないのがラーメンですね!名古屋では、地元民や観光客からこよなく愛される本格的な「台湾ラーメン」が食べられます。元々は台湾のタンツーメンを激辛にアレンジした名古屋オリジナルだそう。
豚ひき肉に長ネギ、ニラ、もやしなどの具材を唐辛子で味付けて炒め、鶏ガラベースのスープを加えた料理。唐辛子やにんにくを加えて炒めた激辛ミンチが癖になり、また食べたくなる一品です。一口食べると旨辛なスープの味わいが広がり、唐辛子に含まれるカプサイシンによる発汗作用も。汗をかきながら食べるのもまた台湾ラーメンの醍醐味ですね。
九州をはじめ、全国的にも広く親しまれてる「手羽先」ですが、実は名古屋の居酒屋“風来坊”さんが発祥。二度揚げ製法で外はパリッと、中はふっくらジューシーに仕上げた手羽先のから揚げに、甘辛いタレとスパイスをふりかけて食べるのが一般的。肉とタレのバランスが絶妙で、そのコンパクトさからパクパク食べ進められると大人気!今では定番の居酒屋メニューに成長した手羽先は、なごやめしの代表格と言えます。
地鶏の王様といえば「名古屋コーチン」。日本三大地鶏の一つでもあり、知名度も抜群。普通のコーチンと違い、しっかり詰まったその身は弾力と歯ごたえと深いコクがありとってもジューシー。通常の2〜3倍の期間をかけてじっくりと丁寧に育てられているそう。
その卵殻は薄い桜色で、卵黄の色が濃く味も濃厚です。鍋の主役から地鶏の刺身、から揚げ、プリンなどのスイーツと、幅広く用いられています。先ほどご紹介した手羽先も、名古屋コーチンを使用しているお店がいくつかあるのでオススメですよ!
元々は三重県の津市発祥で、のれん分けした店舗が名古屋でブレイクを果たした「天むす」。その名の通り小エビの天ぷらを具にしたおむすびです。一般的なおにぎりの半分くらいのサイズで食べやすく、冷めても美味しいことから、駅やデパ地下でお土産として観光客からも人気を集めています。愛知ではおにぎりのバリエーションのひとつとしても定着していて、コンビニなどでも手軽に購入して楽しむことができます。
名古屋の定番グルメ「どて煮」は、牛すじや豚のモツを赤味噌やみりんでじっくり煮込んだ郷土料理です。居酒屋メニューの定番ですが、家庭料理としても広く親しまれています。こんにゃくや大根などと一緒にじっくりと時間をかけて煮込むことで、とろけるような食感が楽しめます。刻みネギをのせて色どりを加え、味のアクセントに唐辛子をトッピングして食べます。また、ごはんとの相性も良いどて煮は、白米の上にかけた「どてめし」も同じく名古屋グルメとして愛されています。
寒い季節に食べたくなるのが「味噌おでん」。名古屋名物の豆味噌の出汁で煮込むタイプと醤油出汁で煮込んで味噌をかける2タイプに分類されますが、飲食店で多く提供されているのは前者の味噌で煮込むタイプ。コンビニでおでんを購入するとからしが付いてくるのが一般的ですが、味噌おでんが人気の愛知県では味噌ダレがついてくるそうです。各地のコンビニで食文化の違いを体験するのも、旅行の楽しみ方の一つになりそうですね。
こんがり焼き上げたトーストにバターまたはマーガリンを塗ってあんこをのせた軽食の定番「小倉トースト」。食パンにあんこをのせた形で提供されることが多いですが、サンドイッチのように挟んだ小倉サンドや、あんこを挟み油で揚げたもの、自分の好きな量を盛って食べるセルフ型などもあり、そのバリエーションは豊富。
長い間喫茶店のモーニングの定番として愛知県内で親しまれてきた小倉トーストは、コメダ珈琲が全国展開したことをきっかけに広く知れ渡り、今や全国で認知されるようになりました。最近では、チーズや生クリームなどをトッピングした個性豊かな進化系小倉トーストなどもあるそうで、色んな種類を試せるのも魅力です。
朝の時間帯にドリンクをオーダーすると、トーストやゆで卵などの“おまけ”が無料でついてくるという喫茶店のサービス「モーニング」。全国的にも認知度の高いなごやめしの一つです。観光客だけに限らず、出張族など多くの人からも絶大な人気を集めています。
そして、尾張や三河など、郊外に行けば行くほど内容が充実しているそう。常連さんへのちょっとしたサービスとして提供が始まり県内全体に根付いたモーニングは、愛知県民の優しさとおもてなし精神の詰まった逸品ですね。
戦中・戦後の食糧難を支えた郷土料理の一つ「鬼まんじゅう」。比較的手に入りやすかったさつまいもと小麦粉を使って作られ、お米が貴重だったため、代わりの主食として広まったのが始まりです。
粗く角切りにしたさつまいもがゴツゴツしている様子が鬼のツノや金棒を連想させることから、その名がついたとされています。鬼から連想するイメージとは裏腹に、食糧難をきっかけに普及した庶民の定番グルメには、当時の人々のぬくもりが感じられます。さつまいもと小麦粉、砂糖のみを使用したその素朴で優しい味は、今でも地元民や観光客など多くの人から愛されています。もっちりとした食感に、さつまいものほんのりとした甘みが広がり、少量で腹モチも良いため、手軽に食べられる庶民のおやつの定番グルメです。
明治時代のアイデアマンが生んだ「えびせんべい」は塩気と海老のバランスが絶妙。国内生産の9割を愛知県が占めるほど県内では定番です。手軽に食べられる県民定番のおやつから、贈答用、海老を丸ごとプレスし海老の形そのままのインパクトがあるものなど、様々なバリエーションが存在。観光に訪れた際のお土産としても親しまれてます。
封を開けた瞬間から香る海老の風味がたまらない!サクッと食べられる軽めな食感に、しっかりとした旨味が、ついつい食べる手を止められなくなるほど魅力です。
愛知・名古屋土産の大定番!色鮮やかでもっちりとした食感と優しい味が魅力の和菓子「ういろう」。室町時代から続く伝統的な日本のお菓子です。見た目はようかんと似ていますが、米粉に砂糖を加えて蒸して作ります。
黒糖や抹茶、柚子などを加えた様々なフレーバーも人気が高く、丸々一本のものから、食べやすい一口サイズのものまで豊富に展開されています。
名古屋名物の新定番になりつつある「ぴよりん」。その可愛らしいルックスから、思わず食べるのをためらってしまうくらい。名古屋コーチンの卵を使ったプリンを、バニラの豊かな香りが引き立つババロアで包み込み、粉末状にしたスポンジをまとわせたひよこ型の生スイーツです。
一つ一つ愛情を込めて作られ、ひよこの表情も様々。ほんのりと甘く、なめらかでとろけるようなくちどけが特徴です。ハロウィンぴよりんやクリスマス限定のぴよりん、正月用のぴよりんなども展開していて、イベントの時にも喜ばれるスイーツです。
名古屋で知らない人はいないのでは?と称されるほど愛されている庶民派ソウルフード「スガキヤラーメン」。和風出汁ととんこつの味のバランスが絶妙なスープに、中太ちぢれ麺を絡めていただきます。トッピングはチャーシューとメンマとねぎが定番!静岡〜兵庫までしか展開されていないため、近くを訪れたら必ず食べてみたいですね。
スガキヤラーメンの特徴は、なんといってもコスパの良さ!このご時世に驚くほど安価で美味しいラーメンが食べられます。オリジナルキャラクターのスーちゃんやその家族のキャラクター展開もしていて、それぞれの名前をつなげると「ラーメンスープうみゃー」となるそうです♪ さらに、今では当たり前になった呼び出しベルを日本で初めて導入したり、女性にも気兼ねなくラーメンを味わってほしいとの思いから、60年以上も前に女性専用店を作るなど、常に利用者の事を考えつつ進化し時代の先駆け的な存在だったのも驚きです。
豆味噌(赤味噌)抜きにしてなごやめしは語れない!と言っても過言ではないほど、味噌を使ったグルメの数々。長らく庶民の食生活を支えてきた郷土料理に、別の地域で生まれた料理に名古屋特有の改良を加えて進化したオリジナルグルメ、県民の優しさが詰まったおもてなしのサービスに絶品スイーツなど、たくさんの名物グルメを堪能できるのも名古屋だけ!お店によって異なる個性豊かななごやめしを食べ比べして楽しんでみてはいかがでしょうか。
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タビックスナビ編集部